短歌
裏も表も
ないけれど
バターを塗ったら
そこが表ね
わはははは!この時を心待ちにしていた!!
伝説の武器防具とやらが手に入らず。
名だたる呪文も身につけないまま挑む大魔王バラモス戦に、一抹の消化不良感を抱いていた息子。
しかしさすがは大魔王だけあって、そう簡単には倒せない。
何度挑んでも返り討ちに会い、若干心が折れかける。
待ってましたとばかりにささやくわけですよ。
(マホトーンと、ルカニと、マヌーサが利くよ)
とね。
沈黙のレベル貯め。
もうゲームクリアか、と寂寥感を感じつつ挑む息子の背中のすすけた感じったらなかったですね。
で。
ついに倒したわけです!バラモスを!
消化不良を抱えながらもアリアハンに凱旋し・・・そして知るわけです!ゾーマ様の存在を!!!
あの顔ったらなかったね!!最高!
世界の平和が戻ったと思ったその瞬間に叩き落される驚き!
まだ冒険が続く喜び!
戸惑いながらラーミアに乗り、ずーっと気になっていたギアガの大穴に行けば、壁は崩れ、大きな穴がぽっかりと。
そしてたどり着くラダトーム。
「ラダトーム・・・?なんか聞いたことある」
「この町、来たことある。」
「このBGM、知ってる・・・」
「これ、ドラクエ1の世界じゃん、パパ!!!!!」
いよいよ冒険はクライマックスへ!
このために!
この瞬間のために!!!
受験前にドラクエ1だけはやらせておいたのですよ!!
5年越しの布石がいまここに!
楽しくって仕方ないっす!!!!!
ああ、ついに息子は。
バラモスのもとへたどり着こうとしています。
ネクロゴンドの洞窟を越え、シルバーオーブを手に入れ、伝説の不死鳥ラーミアをよみがえらせることに挑んでいます。
しかし。
しかし。
無垢な息子の質問が痛い。
今の時点でイオナズンやベホマズン。ザオリクやギガデイン。
名だたる呪文は取得しておらず。
シリーズなら必ずあるはずの伝説の武器防具もいまだにオルテガの兜(※FC版にはない)だけ。
きらきらとした瞳で聞いてくるんです。
「パパ。ラーミアを手に入れたら、伝説の武器防具がついに手に入るんだよね!ラスボス倒しに行けるんだよね!」
ああ、私は何と罪深い父親なのでしょう。
オルテガの仇、諸悪の根源。
ラスボスと思っていたバラモスを倒した後突き落とされる絶望と、さらに続く冒険の厳しさを教えてあげることができない!
オルテガの生死も。
伝説の武器防具のありかも。
そしてゆくゆく身に着けることになるであろう、耳にしたことのある呪文の数々も。
そのすべての冒険は、むしろこれからが本番だということを、僕は伝えることができないのです。
息子は今、後悔しています。
ザオラルを覚えずにネクロゴンドに挑む暴挙を。
そうりょをぶどうかにするんじゃなかったと。
でも、さらなる後悔はその先に。
半端なパーティ、半端な戦略では返り討ちにされるバラモスが、そこにはいます。
頼みの綱ははぐれメタル。
どれだけ狩れるか。それこそが、そうりょをぶどうかに転職させた吉凶の分かれ目。
伝説の武器防具がバラモス城に見当たらないと困惑するでしょう。
雑魚敵に苦戦し、何とか勝ちを収め、「これでおしまい??」と戸惑いながらもアリアハンの城で祝勝パーティをやっているそのときに、父が口ごもっていた意味を知ることになるでしょう。
だから父は、ゾーマ「様」と呼ぶのですよ。
ドラゴンクエストモンスターズでも。真っ先に作り出して。
トーナメント的に強かろうが弱かろうが、ひたすら鍛え上げてスタメンにゾーマを置き続けていた意味を。
きっと息子は知るでしょう。
ああ、なんて楽しみなんでしょう。
なんて楽しみなんでしょう!!!
絶望に染まる夜の大地を歩きながら、そこがドラクエ1の地、アレフガルドであることに気づいた時の顔が早く見たい!!
毎日が楽しみだぁ!!!
こんな世の中ですから、息子にゲームくらいはやらせてやってくれ、と直談判して許可を取り付けたドラクエ3。
せんし、ゆうしゃ、ぶどうか、そうりょ
なのは、まあスタンダード。
名前が、ああああ、とか、いう、とか適当につけてやがりまして、ほんと、ウィザードリィのキャラメイクか!!って話ですよ。
レベル溜め、金貯めもそこそこにダンジョンに突っ込むし。
安全マージンとってプレイする僕とは大違い。
ほんと、お前はオレの息子か!?って言いたくなるラフプレイ!
ようそのレベルで突っ込んでいったな、って毎日進捗聞くたびにヒヤヒヤします。
あげく!
ぶどうかをけんじゃに転職。
それはわかる。
なぜベホイミ程度しか覚えてないそうりょをぶどうかにするかなぁ!
2人転職とかしたら、平均レベル下がって大変だろうに!
んで、なんでおうごんのつめの話をぽろっと口にした時、「呪文が使えないから苦戦するんだよなぁ」のヒントだけで、ピラミッドの地下から強行軍で回収するかなぁ
マミー60連戦、呪文使えない、とかいう修羅場なのにそのレベルで取りに行くとか自殺行為だろうが!
「やくそう、山盛り買った(どやぁ)」じゃねーよ!
3DS版はダーマ神殿で名前変えられてよかったなぁ、おい。
で、さあ。
おこげ
いえもん
はどういうセンスなんだよ
イエローモンキーかと思ったらお茶かよ!
なんなんだよ、お前!!
たのしいなぁ、ちきしょう!!
受験も終わったことだし、息子のゲームを解禁してやってくれ!と嫁に直談判。
ゲームやスマホに否定的ではあるものの、こんなご時世だし子供も閉塞感でクサクサしてる。youtubeを受動的にただダラダラ見ているよりも、能動的に冒険をさせてやりたい!
と熱くプレゼンし、何とか許可を取り付けてドラクエ3!
約束は守ったぞ、息子よ。
ずーっとインストールして待ってたんだ。
アリアハンの勇者として旅立ってくれ!
勇者、戦士、僧侶、魔法使い、ってのがなんとなくスタンダードだけども、父のお勧めは勇者、戦士、武道家、僧侶だ!
盗賊?FC版にそんな職業はない!
さすがはドラクエ。もう夢中です。
気分は勇者。頭の中は冒険のことでいっぱい!
当然、学校から山のように出されている宿題をこなしつつ。
英語も苦戦しながら取り組みつつ。
合間合間に冒険の旅を楽しんでいます。
鍵を探し。敵に苦戦し。
朝と夜の違いに驚き。
ピラミッドに苦戦するのは皆が通る道。
今はくろこしょうを探して右往左往。
さっき満面の笑顔で報告してきました。
「パパ!船を手に入れた!!」
こんな世の中だからこそ。
思いっきり冒険に浸ってほしい。
youtubeでゲーム動画を漫然と消費するんではなく。
自分で試行錯誤しながら冒険に浸る。
それこそが醍醐味。子供の特権。
嫁さんはゲームに夢中になってる息子に渋い顔してますが、できる限り防波堤になって、世界を救ってほしい。
そしてなぜ父が、ロトの剣コレクターと化して、ドラクエ3を至高のゲームをとらえて、いまだに心を奪われてならないのか。
それをしっかりを味わってほしい。
父がゲームやアニメのキャラクターに「様」をつけるのは、フリーザ様とゾーマ様だけだってことを、しっかりと理解してくれたまえよ!!
ドリフターズは、実に不謹慎なネタだらけで、PTAには目の敵にされていた。
加藤と志村はその筆頭格で、小学生相手にストリップや知的障害者のネタを見せて笑わせていた。
食べ物を粗末にし、アルハラをし、セクハラをしていた。
全盛期の志村は、正直見ていてしんどい時があった。
「そんなことをテレビでしていいのだろうか」
はらはらしながら見ていた。
いっときテレビで見かけなくなり、死亡説が流れ。
そして戻って来た。
時にはにかみながら昔の話をし。
チンパンジーと満面の笑みで戯れる志村を見て、途端に大好きになった。
ツッパって、片肘張ってギリギリを攻め続ける窮屈な志村ではなく、実に自然体で柔らかで面白いオジサンが垣間見えて、人間臭さがたまらなかった。
往年の志村があって、そして昔の志村が自分の中で追いついた。全部の志村が好きになれた。
そんな矢先のコロナだった。
全員集合やドリフの大爆笑、だいじょぶだぁやバカ殿が美化されているけれども、まごう事なく不謹慎なネタに溢れ、ギリギリを攻め続けているコンテンツであったことには間違いない。
でもそれは、彼の生き様があって、時代があって、歴史があって肯定された。
偉大なコメディアンとおべんちゃらをいう政治家もいたが、世が世なら叩く側だったろうに。
清濁合わせ飲んで、人間のリアルを少しオーバーにデフォルメして描く人だった。だから、そんな人いないはずなんだけど、どこかに近しい人をコスっている、そんなキャラばかりだった。
70を過ぎて、これからの芸を見せて欲しかった。
喧がとれて丸みを帯びた志村の世界を見たかった。
本当に惜しまれてならない。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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