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2004.05.10

拝啓 木村様

白河の清き流れにすみかねてもとの濁りの田沼恋しき
江戸時代の狂言

この記事は木村氏のこの記事(問いかけ)に対するトラックバックを意図して書いたものです。

本件にご興味の無い方は読み飛ばしてください。(江崎らしからぬ、きつい表現も多々ありますので、ご了承ください。

木村氏の設問。

匿名性というセーフティネットの中で許される言論の自由とは如何なるものであるべきなのか、あるいは、匿名の方はコミュニティを壊す権利を持っているのか

匿名性云々や設問にバイアスがかかっている点については他の方が言及しているようなので割愛します。


◆まず、江崎は何を思ったか
 その質問はミスリーディングだと思ったのです。
 質問という形をとってはいますが、「匿名性」の危険性を敢えてクローズアップすることで、これを機に、「匿名でごにゃごにゃいうひとはよくない、という意見が多数寄せられている。だからゴーログ(のコミュニティ)への意見(批判)は匿名ではよこすな」みたいに持っていきたいのかなぁ、と思ったのです。
 
 極論かもしれませんが、木村氏の質問の意図の奥には、木村氏の持っている「匿名による”誹謗中傷”への嫌悪」を強く感じます。

 でも、先に言っておきます。
 匿名性の封鎖は愚策と思われます。お気をつけください。
 

◆匿名性と”誹謗中傷”
 まず第一に、これだけは言っておきますが
 美園氏の

単に無知な人を集めて一山当てようって感じがあって、倒産目前三十社リストとかありもしないネタで煽って混乱させたヒトだからねえ。経済言論で相手にされなくなって久しいけど、こういう形で復活するとは

 
 という発言は、罵詈雑言だとは思えないのです。
 ありがちな雑音ではありますが、木村さん、過剰反応しすぎだと私は思います。
 それがたまたま匿名だったというだけで、この程度のコメントは顔出し名前出しの二流三流のコメンテーターでさえ言いそうな内容じゃないですか。
 今日日、デ○夫人とかピー○とかテ○ー伊藤とかのほうがよほどきついコメント言いますよ。
 

 匿名の人物による雑音。
 これは、パソコン通信というものが世に出たときからずーーーっと付きまとっている問題です。

 でも、もーーーーっとさかのぼれば、江戸時代に松平定信の行なった寛政の改革を風刺する狂言(川柳)として
 「白河の清き流れにすみかねてもとの濁りの田沼恋しき」
 とか、
 「世の中に 蚊ほどうるさき ものはなし ぶんぶぶんぶと 夜も眠れず」
 という張り紙が張られた、というエピソードからも見ることが出来ますよね。
 高名な人へ無名な一般市民がちくりと意見を言う。
 それが的を得ていれば得ているほど狂言の対象は怒り狂うものです。

 過剰反応したがゆえに、「お?あながち嘘八百ってわけでもなさそうだぞ?」という印象を周囲に与えてしまうのはまぎれも無い事実です。

 一方で、美園氏への反論のうち、「反論するなら自説(自分の著書等)を理解してからにしろ」、というのは失敗ではないかと思っています。
 ネットでは(という言い方を敢えてしますが)ほとんど通用しない論理だと僕は思っています。

 揚げ足とりをしたい人ほど、斜めから斜めから発言を捉えるものです。
 いちいち著作を読んで反論を練り上げるような真似はしません。
 トップとして大切なことは、その反論(雑音)に対してきっちりと対応すべきか否かを判断し、対応が必要と判断した際はしっかりと戦略的に対応する。そんな”横綱相撲”で対応する姿勢を示すことではないかと思うのです。
 雑魚相手にムキになってどうするんですか!

 ネットで活動する以上、美薗氏のようなコメントへは悠然と対処していればいいんですよ。泰然自若として、「無知な人間の遠吠えだ」程度にどっしりと捉えて欲しかったです。

 敢えてはっきりと言います。
 あれが罵詈雑言だというなら。
 あの程度の雑音が気になって仕方ないのなら。

 木村さん、あなたはネットで活動できる器じゃないんじゃないですか?


◆過剰反応のリスク
 僕は木村氏の「”大手30社問題”とは何か?」を始めとする一連のコラムを読んでいないのでなんともいえないのですが、周囲の捉え方は以下の2×2のマトリクスになると推測します。

 横軸A・Bが美園氏へのコメントへ反応しない・する
 縦軸1・2が木村氏のコラムを読んでいる・読んでいない
 ______
 |A1|B1|
 |A2|B2|
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 A1(無反応・コラム読者)
 →美園さんは事実無根な、アホなことをいってるなぁ。<完全否定>

 A2(無反応・コラム未読)
 →美園さんの言ってることは事実なの?でも木村さん反応してないし、まわりも騒いでないから、事実かどうか怪しいなぁ。<美園氏への懐疑>

 B1(反応有・コラム読者)
 →美園さんは事実無根な、アホなことをいってるなぁ。木村さんも、そりゃ怒るわ。<完全否定・木村氏擁護>

 B2(反応有・コラム未読)
 →美園さんの言ってることは事実なんだろうか?でも、あの程度の内容にいちいち木村さんレベルの人が反応してるってことは、痛いところつかれたからかな??なんだか怪しい!<木村氏への懐疑>

 今回の木村氏のとった行動って、B2なんですね。しかもかなり過敏な!
 一番まずい行動じゃないかと思うのです。

 そして、私は「おいおい、大物なら、そしてそれが事実無根な雑音ならば”誤解されるのはよくある事だ”ってどっしりかまえててくれよ」と思ったのです。


◆美園氏の行動はコミュニティを壊したか
 冷たい言い方ですが。
 あの程度で壊れる(去っていく人が多い)のであれば、それは既にコミュニティとして成立していないのではないかと。
 あれが匿名だろうが実名だろうが関係なしに、去っていく人は去っていきますよ。
 その、静かに去ろうとしている人を無理に呼び止めるような(リンクをはずしたログへ参照をかけるなど)やり方には、同意しかねます。
 リンクを張り、参照をかける前には、相手の状況を確認すべきだと思います。


◆心理学の観点から少し
 コンプレックスという用語があります。
 これは心理学用語としては重圧とか劣等感という意味ではなく、

 強い感情やこだわりをもつ内容で,ふだんは意識下に抑圧されているもの。心のしこり。観念複合(体)。

 という定義づけが為されています。

 人間は、コンプレックス反応といって、コンプレックス(自分では意識し切れていない、心の中のごちゃごちゃした部分)に触れられたとき、過剰な反応をしてしまうことがあるといいます。
 逆を言うと、大きな(過剰な)反応が返ってきた事象(質問、ハプニング他)に対しては、その対象者はコンプレックスを持っている可能性があると考えられるのです。

 過剰反応のリスク。
 それは、コンプレックス反応であると捉えられてしまうこと。
 もっと言ってしまえば、その寄せられたコメントに対して本人は「自分では意識し切れていないが、何かしらごちゃごちゃした物を持っている」と勘ぐられてしまう、というリスクがあるのです。

 ポーカーフェイスとは、そんなコンプレックス反応すらも押し込め、常に平常心で物事に対応する姿勢のことだと思うのですが、組織、コミュニティのトップたる木村氏には是非そうあって欲しいものだと思ったのです。
 

さて。
色々と生意気を言ってしまいましたが。

◆週刊!木村剛はどうすべきか
 ・雑音にいちいち反応していては、木村氏のよさがいまいちでない気がします。むしろ周囲が荒れて、よくないと思います。
  そのため、批判意見については検討し、言及すべきものについてのみ戦略的に対応することが必要だと思います。

 ・木村氏の性格上、批判意見にはいちいち対応したい、というのであればネット上で活動している限り、いつかはお手上げ状態になると思います。
  相手にしてもらえるとわかった瞬間、群がるアホはたくさんいますから。
  全ての批判を木村氏がいちいち真摯に受け止める必要は無いと思いますよ。
  そこら辺は(自衛の意味での)検閲をかけてもいいと思います。
  木村氏のキャラクター、文章あっての「週刊!木村剛」なんですから。
 
 ・自説への賛同者のみが欲しいのであれば、運営手法を変えたほうがいいと思います。
  現状の運営手法では、賛否両論集まるのは自明の理ですので。

こんなところでしょうか。


◆拝啓 木村様
 木村様のコラムは面白く、いつも楽しく拝見させていただいております。
 また、先日お会いさせていただいたときもそのお人柄にはとても好感を抱いており、決して個人的に悪感情を抱いていたり、あざけっていたりするわけではありません。
 むしろ、Blogというツールを活用して、経済や金融に無知だった私に興味を抱かせていただいたこと、とても感謝しております。

 今回このような生意気を申したのは、あくまで御Blogやコミュニティが長く存続して欲しいがための「外科的手法の一環」であるとお考えいただければと存じます。

 木村様が金融に携わっているよりも短いネット経験に過ぎませんが、率直に思うところを述べさせていただいたつもりです。
 もしご不快に思われ、コミュニティから排除するとおっしゃっても異存はありませんが、どうかご一考いただければと思っております。

 最後になりましたが、本文章については参照リンク、もしくは(全文)引用されるにあたってはご一報いただければと存じます。

 さすがに土日という短い期間で練り上げるには時間が足りず、さりとて月曜に「匿名の否定意見はだめ」と言ってしまうような愚策をとられては一大事、と思っているため、この状態でアップせざるを得ませんでした。
 そのためです。ご了承ください。
 
 今後も変わらぬご活躍を期待しております。

2004.5.10 1:00 江崎 彰

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受信: 2004.05.10 07:49

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あらあら、久しぶりに覗いてみたら、ちょっとすごいことになっているみたいですね。 [続きを読む]

受信: 2004.05.11 00:15

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