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2004.04.13

★「本当の自分」という幻想2

うそだ、本当の俺はこんなんじゃねぇ
世にも奇妙な物語(未来予想研究所)

前回に引き続き、”本当の自分”とは何か、について取り上げてみたいと思います。
本当の自分」という幻想の1はこちら。


突然ですが、心理学の手法に「ジョハリの窓」というものがあります。

ジョハリ (Johari)の窓とは、これを提案した2人の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリー・インガム (Harry Ingham) の名前を組み合わせたもので、自分で自分のことを分かっている部分、分かっていない部分、及び、他の人が(自分を)分かっている部分、分かっていない部分について2×2の組み合わせで自己分析を行う手法のことを言います。


ここで、ジョハリの窓について簡単な図に示してみたいと思います。

図1 ジョハリの窓
ジョハリの窓

この図中の各アルファベットは以下に対応しています。

A:自分と他人に分かっている部分(明るい窓)
B:自分には分かっていないが他人に分かっている部分(盲目の窓)
C:自分は分かっているが他人には分かっていない部分(隠された窓)
D:自分にも他人にも分かっていない部分(未知の窓)


さて、ここで本題に戻ります。
この「ジョハリの窓」における”本当の自分”とは、どの部分のことを言うのでしょうか。

(1)言葉どおりの意味で考えた場合
 A+B+C+D ですね。

(2)「本当の自分」という言葉の用途で考えた場合
 これはA+C+Dだと思われます。
 もっというと、A・Dの一部とCの大部分。(参照:図2)

図2 「本当の自分」という言葉の使われ方に見る位置づけ
ジョハリの窓における本当の自分の位置づけ

Aが一部分というのは、みんなが見えている部分だけではない自分、というニュアンスを表したためです。
それならばむしろ、Aは入らないのでは?と思われるかもしれませんが、みんなから見えている自分のうち、良いイメージの自分についてはやはり”本当の自分”に組み込んで考えているものと思われるため、一部分を組み込みました。

Dの部分については自分では気づいていないけれども何らかの才能、能力があるものと”期待”している側面が大きいと思われるため、その一部分を組み込みました。
また、過剰な期待についてははみ出した部分がそれにあたります。

ここで、「本当の自分」と言う場合の自分像とは、
 ・他人はほとんど気づいておらず、
 ・下手をすると自分ですら気づいていない場合もある
 ・発揮しきれていない才能、能力を持っている自分。

という定義が成り立つのではないかと思うのです。


本当の自分。
それはあたかも、「ふんっ!」と力んだ瞬間ムキムキマッチョになる亀仙人のような、体は子供頭は大人な少年探偵コナンのような、電話ボックスで変身するとスーパーマンになるクラーク・ケントの様な。
「普段見えている(図で言うAの部分)自分は大したことないけど、本当は(図で言うCとDの部分)すごいんだぞ」的な思考によって生み出された、自己擁護のための”幻想”という側面があるのではないか、と考えたのです。


先日書いた「本当の自分という幻想」における”僕が折り合いをつけなければいけないと思っている事”とは、この都合のいい自分像、人から理解されてないけど本当はすごいんだぞ、な自分像との折り合いなのだろうと考えたのです。



ジョハリの窓では、自分自身が本来もっている能力に気づき、「明るい窓(=A)」の部分を広げることが大事である、と説いています。

図3 ジョハリの窓における、自己分析の目的
ジョハリの窓における自己分析の目的

自分を分析し、真に理解すること。そして自己も他人も気づいていない部分(未知の窓=D)にも光を当て、少しずつ気づいていくこと。
それが大事だと。

「本当の自分」という幻想。
それは、他人から正当に評価されていない、という被害者意識と、自分の能力への過信という、高すぎるプライドに裏打ちされた自己への補償行為(身体面・精神面において人より劣っていると意識されたことを補おうとする心の働き。)のことを言い、
 ・現在の自分をありのままに理解し、受け入れること。
 ・自己を分析し、他者とのコミュニケーションをとってく中で”明るい窓(=A)”の範囲を広げ、自己・他者の理解を得ること
こそがその幻想から逃れる手段(=折り合いをつけること)なのだと、そう思うにいたったわけです。



あなたは、「本当の自分はこんなもんじゃない」って考えたこと、ありませんか??


関連する記事はこちら
「本当の自分」という幻想
「本当の自分」という幻想2(この記事)
「本当の自分」という幻想2 補足

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コメント

度々コメントしてしまってすみません。
でも今回のログはとても秀逸で、すごく考えさせられたというか…。うまく言えませんが、書かずにいられなくて。

私は、気づけばいつも自分を分析してしまっているのですが、自分にも他人にも分かっていない部分D=「未知の窓」があるとは、あまり実感したことがないので(って、誰しもそうでしょうか)少し不思議な感覚を覚えました。
私の中に、どんな見たことのない私が眠っているんだろう。
この時点ですでに、自分のことは全て分かっているというような自惚れを発見し、恥ずかしくなります。
「本当の自分はこんなもんじゃない」なんてのも、しょっちゅう思ってしまいます。
『他人から正当に評価されていない、という被害者意識と、自分の能力への過信という、高すぎるプライドに裏打ちされた自己への補償行為』
そうですよね~。分かってはいるんですが…(^_^;)
『・現在の自分をありのままに理解し、受け入れること。
 ・自己を分析し、他者とのコミュニケーションをとってく中で”明るい窓(=A)”の範囲を広げ、自己・他者の理解を得ること』=折り合いをつけること。
私もこの努力をしていかなければなぁ、と思います。でないと、自分が成長していかないですよね。頑張りたいです!

では、長々とすみませんでしたー(>_

投稿: ロリポップ | 2004.04.13 23:48

先日のコメントで「折り合いをつけるという発想はもったいない」
と書いたのは、「ジョハリの窓」でいうところの「C」の部分のみで
江崎さんが、周囲とうまく折り合いをつけなくてはいけないと
考えていらっしゃるのかな?と思ったので、「もったいない」という
発言をしました。
私、ちょっと読み違えていたみたいです。

今回の「2」ではっきりとわかりました!
江崎さんは「B」「D」の部分を含めて発言していたのですね。

「本当の自分」という幻想から逃れる(折り合いをつける)
ための方法としての「ジョハリの窓」の説は有効だと思います。
そして、付け足していわせていただければ、「C」をアピールするよりも、
先に「B」に耳を傾けてみてください。
(たとえ、それが厳しい現実であっても!)
そうすれば、「D」が先に見えてくる可能性もありますし、
「C」の部分もわかってもらえるはず!

と今回もちょっとわけのわからない
コメントになってしまったかも(汗)

投稿: Jack | 2004.04.14 17:28

えーと、すぐにでもコメントしたいのですが長くなってしまいそうな一方、ちょっと今日は時間が無いので、明日以降に皆様から頂いたコメントへのレスをさせていただきます。。ご容赦を・・・。

コメントとかトラバは大歓迎ですので、どうぞおきになさらないでください!
反応がいただけることが、とてもうれしくて励みになりますし、頂いた反応に刺激を受けて次のアイディアが浮かんでくることもありますので。

あと、思ったことを書いていただけるのはとてもうれしいです。レスへのレスも歓迎ですので、対話式に考えをまとめてみる、というのはいかがでしょう?(^^)

投稿: 江崎 彰 | 2004.04.15 00:15

>ロリポップ様
いつもコメントありがとうございます!
自分でも書いてて面白くなっちゃって、気づいたらこんな分量になってました。
(そして力尽きて更新をお休みしてる状況(汗))

自分も昔は「未知の窓」に気づかないどころか、自分は自分のことを何でも知っている、それにみんなもっと僕を評価すべきだ、くらいの気持ちにすらなっていました。
若気の至り、ってやつですよね(--;

いつの頃からか自己分析がライフワークのようになっていて、気が付けば今に至っているのですが、そのたびに見たこともない自分と直面してしまって驚いたりへこんだりの連続です。(やっぱり、自己分析は面白いけどへこみますよね。。)
お互い、有意義に成長できるようにがんばりましょうね~(^^;

秀逸だなんて!そんな勿体無い! ・・・もっと褒めて!<台無し

投稿: 江崎 彰 | 2004.04.16 20:39

>Jack様
コメントありがとうございます!わけわからなくなんてないですって!
こういう問題は、探り探り行かないと、なかなか答えって見つからないですからね。思ったことを思ったときにコメントいただけてうれしいです。むしろ歓迎ですから♪

実は、先日の「折り合いをつける」発言は、自分でも不明確だなぁと思っていたくらいちょっと”逃げた”書き方したんですね。
ご指摘いただいて何日か色々考えて。ふと、ジョハリの窓を使って説明することを思いついて。それからは自分でも発見と驚きの連続でした。
書き上げて、あー、スッキリ!って感じ。

ところで、たしかに「B」への言及が少なかったですね。補足しておきます(^^)
BをAにかえる努力はは大切!

あ、あとJackさんのサイトで取り上げていただいたようで、ありがとうございます!
これがBlogの醍醐味ですよね。うれしい!

投稿: 江崎 彰 | 2004.04.16 20:40

どおも、えがっちです。
勝手にTBさせていただきました。
未知の自分を開拓する。
人生って、これにつきるのかなと
思います。
では。

投稿: えがっち | 2005.05.29 08:48

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