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2004.01.09

★みやこどり

名にしおわば いざこととわむ 都鳥
 わが思う人は ありやなしやと

在原業平「伊勢物語」

在原業平が武蔵の国と下総の国との境の、隅田川の渡しで詠んだもの。
高校の授業でこの詩歌に出会って、そのときはなんということもなくスルーしたのですが、大学時代にふと思い出し、それから好きになった詩歌なのです。

意味としては、
「都鳥という名前ならば、都のことはわかるのだろう?
都に残してきた自分の想う人が健在なのか否かを教えてくれないか」
というものなのですが、高校の先生はもうちょっと突っ込んだ解釈をしてくれたのです。

曰く、


・当時、思いが通い合っている男女は、お互いがお互いの夢に出てくるとされていた。



・しかし在原業平は旅の途中想う人の夢を見ない日が続いたのではないか。

 ⇒そのため、自分が想っている人が夢に出てこないということは、心が離れてしまったか、もしくは死んでしまったのかどちらかなのではないかと不安に想い、このような詩歌を読んだのではないか

というもの。
大学時代に熱烈な恋愛(微妙に遠距離)をしていたとき、ふとこの歌のことが思い出され、しみじみと味わったものです。

会えない日が続き、心が離れていってしまっている気がしてどうにもさびしくなり、そして焦り、不安な気分になっていたとき。
夢の中ででも会えたら違うだろうにと、考えたときにふと。

在原業平のこの詩歌を読んだときの気持ちが少しだけわかった気がしたのです。

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